Flippingは、フィジカルな読書ユーザービリティを持つペーパーブックUI システムである。
昨今、パブリックスペースにおけるデジタル情報提示システムは多くの場面で見られる。これらのシステムには3つの課題がある。ユーザーにスムーズなアクセスと操作参加を促すこと、短時間でコンテンツを通じたユーザの関心を高めること、そして、デジタルデバイスを使った読書のユーザービリティ問題を改善することである。特に、デジタル読書のユーザービリティ問題は、パブリックスペースでの効率的な情報把握において大きな障害となると考える。
そこで、我々は、アナログの本とデジタルディスプレイのメリットを統合したペーパーブックUI システムFLIPPINを開発した。Flippin’は、「ページをめくる」「ページ面に触れる」操作を、導電性インクを使って認識させ、コンテンツソフトウェアを操作できる。
本システムを用いて、”Flip and Touch the 北斎漫画”を開発し、グランフロント大坂にて2016年9月より2017年3月まで展示を行った。た。本企画は、Flippin’ とディスプレイデバイスを使い、印刷メディアと電子メディアの特長を活かしながら江戸時代後期に描かれた『北斎漫画』を鑑賞する文化財展示インスタレーションである。
本展示を通じて、Flippinの検証および、Flippiと従来のタッチパネルUIを比較するフィールド検証を行った。その結果、システムの実用的な有効性を示しただけでなく、情報システムデザインを行う開発者を支援するためのデザインガイドラインを構築した。また、その論文はCHI 2017にfull paperとして採択された。
ペーパーブックUIシステム, 2015-2017
吉野弘一: コンセプト、コンテンツ開発
小幡光一: ハードウェアエンジニアリング、ソフトウェアプログラミング
徳久悟: サービス・デザイン
コラボレータ
凸版印刷株式会社
Project URL
国際会議
Koichi Yoshino, Koichi Obata, and Satoru Tokuhisa.
FLIPPIN’ : Exploring a Paper-based Book UI Design in a Public Space.
Conference on Human Factors in Computing Systems 2017 (CHI 2017), pp.1508-1517, Denver, US, 6-11 May, 2017.
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